思い出放送局とは

みんなのための番組制作から

ひとりのための番組制作へ

非薬物療法(薬に頼らない療法)に回想法という療法があります。
人生を振り返る、ライフレビュー・・・・・・
認知症のお年寄りの方々は、近々のことは覚えていなくても昔のことは事細かに覚えていることがあるのです。
「長期記憶」と呼ばれますが、子どものころの記憶や働いていたころ、
習慣や大事なことで映像や音楽、これは忘れていないのです。
残念なのは、ベットの上でじっとしている、施設で繰り返しの同じ日々を送り続けている等、
さまざまな刺激が入院や施設では寸断されてしまい、思い出す機会も与えられていないのが現状です。

見ているだけで辛くなります。

このような環境で寂しい思いをしていらっしゃるご高齢者の方々に
少しでもお役に立てないかと思い付いたのが、このサービスです。
折角、大画面のTVが普及し、ネットが普及しても、ご高齢者には無意味なものになっています。
そこで一般テレビ番組のような「公共性」を無視し、「一人のためだけに映像を作る」ことをはじめようと思いました。

なぜならば、私が今、母親の介護で気がついたことだからです。
私の母もあまり難しいものや、テンポの速い編集がされたものは、理解できないので余計に孤独に入ってしまいます。
情報のスピードについていけない、知らない人たちが全く興味のないことで騒いでいる、そんなTVを見ても、
生きている世界にさえ馴染めなくなって辛いのです。

私自身の介護の経験で
「これまで育ててくれた恩返しに喜んでもらいたい、ご飯をおいしく食べてもらいたい、笑ってもらいたい」
そのような想いを込めた、「母ちゃんのためだけ」の番組制作です。

そこで、私たちが見たら、だらだらしていて、なんの変哲もないものが意外に喜んでもらえたり、
「心の栄養」になったりするのではないか、私たちがTVの映像制作で学んだ知識とノウハウが利用できないかと考えました。
ご高齢者の方に、感じてもらったり、思い出してもらったり、はたまた気がかりに思っていることを少しでも解決出来るような、
「笑顔につながるメディアの活用」をご提案させていただくのが、「思い出放送局」です。